火曜日の思索メモ

思ったこと、考えたことの記録です。

FIFA設立記念講演

昨日はFIWAーみんなのお金のアドバイザー協会設立記念セミナーに行って来ました。

 

「人生にお金はいくら必要か」を経済評論家の山崎元さんと共著で出されている「友達の少ないFP(笑)」岩城みずほさんが副理事として参加される

「生活者が経済的束縛から解放されて豊かで幸せな人生を実現する為の支援活動を行う」アドバイザーを増やすことを目標として協会の設立記念講演ということで、あ、面白そうだから聞いてみたいな、と軽いのりで申し込んだら、その道のプロの方がゴロゴロいらして、ヤバいFPでもない、金融関係の仕事に関わったこともないのに凄いところに来てしまった、と思いました。f^_^;

 

逆にいうと、それだけのプロの方々が「そういうアドバイスをできる人が必要だ」「そういうアドバイザーの数が足りない」と思っているということなのでしょうね。

 

セミナーはFIWAの理事長の岡本さんの基調講演の後、パネルディスカッションという流れだったのですが、どちらも素人にも分かりやすい話をしてくれて、とても良かったです。

 

FIWAの目的として

「ごく普通の生活者の方がお金の心配をしなくても生活できるようにアドバイスする、という行為が一つの独立した業務として、一つの職業として成り立つ」

 ということを話されまして、マネーゲームで大金持ちになりたい、という人ではなくて、

ごく普通に結婚して、ごく普通に子供が生まれた人が、この子が大きくなって学校へ行く時にお金のことを考えないで自分の進路を選択できるような状態を作っておいてあげたいよね。

じゃあ、そういうのって、どう準備しておけばいいんだろう?と悩んだ時、とりあえずあそこへ行って相談しようと思える人がいること。

 

相談する方が、この人のアドバイスならお金を払ってもいいわ。この人のアドバイスに従って行動しておけば、こちらの望む状態を作っておけるわ、と思える質の高いアドバイスをする人がアドバイスフィーだけで生活できること。

 

こういう状態が理想で、それを目指すということはつまり現実はそうなっていない、ということでもあるのですよね。

(まあ、現実がそうなっていたら、簡保の不正販売が大問題になったりしていませんよね。

都市部の人には理解しにくいでしょうが、地方には銀行なんて近くにない。身近な金融機関はJAや郵便局ということろも珍しくなくてね。

そういうところだとJAや郵便局に寄せる信頼は絶大なものがあるのですわ。そういう人達にとって簡保不正販売問題は大ショックでしょうね)

 

年金2000万問題が何故あれだけ騒がれたのかというと、それはつまりお金について深く考えなくてもなんとかやってこれた時代があったからだと思うのですよ。

 

前、読んだエッセイで

「バブルの頃亡くなった父の保険金をどうしたらいいか分からないから、とりあえず全額定期預金に入れた。満期になって返ってきたら金額が倍になっていたので、そのお金を元にマンションを買った」

ということが書かれていて、これって0金利時代しか知らない人から見たら夢物語だよな、と思いました。

 

そういう夢物語でやっていけた時代があって

「投資?あれはお金持ちか、マネーゲームが好きな人か、凄く頭がいい人がやるもので普通の人が手を出してはいけないもの。素人が手を出したりしたら大火傷する」

 と思われていた時代が長く続いた後で

「時代は変わりました。普通の人が普通に幸せになる為には銀行に預けるだけではなく投資も必要です」

   と、言われても大抵の人は

「えええ、そんなこと言われたって、じゃあどうすればいいの?」

 と思うのですよ。だって普通の人は仕事や子育てや趣味に自分の時間を使いたいもの。

 難しいことは、よく分からないから、とりあえず金融機関に行けばいいのかな?と思っても、その前に、と本や雑誌を読めば

「金融機関の窓口に相談しに行くのは一番ダメなやり方です!金融機関にとっていい金融商品と消費者にとっていい金融商品は別物です!」

 と書いてあるし。

(どうてもいいことだけど、私昔保険会社で働いていた友達に似たようなことを言われたわ。

「うちで契約しなくてもいいから保険契約する前には私に見せてみ。いい契約かどうか見てあげるから。保険会社にとっていい契約とお客様にとっていい契約は別だからね。

本当にいい保険というのはあるよ。でも、そういうのはあまり儲からないから保険会社はあまり宣伝しないんだよね」)

だから、こういう風にお客様ファースト。完全に金融機関から独立したお客様に忠実なアドバイザーが増えるのは普通の人にとってもいいことだと思うのですよね。

 

もちろん金融機関にも売り上げプレッシャーに負けず、お客様に忠実なアドバイザーはいると思うけれど素人からすると「え?それどうやって見分ければいいの?」ですよね。

 

だから、やっぱり生活者の側も

「この人の言うことは信頼できそうだから、この人のアドバイスには従っていいんだな」

ということが判断できる程度の知識が必要なのでしょうね。

じゃないと、とても良心的なアドバイスを貰ったのに

「なに、あの料金。話をしただけで何も買ってないのに、ぼったくりじゃん」

 ということになりかねない。分かる人が聞けば

「え、その料金で、こんな濃い内容を聞けるなんて。それは安い!」

となっても価値が分からないと値段だけを見て

「話を聞くだけなのにお金を払うなんてもったいない。無料で聞ける話だってあるじゃない」

 となってしまいますよね。

 

よく「良い店は客が育てる」とは言うけれど

「このアドバイスが聞けなくなるのは困る。面倒で難しいことは、なるべくプロに任せて、自分は楽して安心できる状態を手に入れたい」

 と、思える人が近くにいればいいのに、どこに行けばそういう人に会えるか分かっていればいいのに、と思っている人にとっても今回の協会設立は望ましいことでしょうね。