火曜日の思索メモ

思ったこと、考えたことの記録です。

宣教師と戦国大名

宣教師と信長の軍事提携についての番組が流れているので、司馬遼太郎がクリスチャンの遠藤周作

鎖国したのは残念でしたね」

 と言ったら

鎖国しなかったら日本は征服されていたでしょう」

 と返した話を思い出して面白い。遠藤周作、クリスチャンだけあって浪漫に流されず冷徹に状況を見てますね。

 

 そして当時の日本で急激な軍事技術の進化があったという話に山田風太郎の「海鳴り忍法帖」を思い出して、ちょっと笑った。

あれ主人公が天使のような性格はそのままに後半ミカエル様としか言いようがない存在になっていきますものね。

善人として言いようのない者が作った物でも優れた技術は大量の人間を殺せますものね。(この辺り、山田風太郎の戦争体験が大きく影響しているのでしょうねえ。精神論をいくら唱えようと刀で機関銃には勝てませんしね)

 

今回公開資料ってバチカンが「そろそろいいだろ」で公開したやつなのかな?

「日本人の心を盗みに来た。悪魔の手から魂を救う為」

  資料に記されたという宣教師の言葉に遠藤周作の「沈黙」を思い出して、異邦人である宣教師と違って、さすがに日本人の遠藤周作は同胞の性質をよく理解してるなあ、と思ったりして。

シリーズ物として続くみたいだけど、このまま世界史の視点も絡めた戦国史の話が続くのかな?

 日本とヨーロッパの覇権争いがクロスしている、あたりでアメリカでインディアンを巻き込んでヨーロッパの覇権争いをしていたことと同じことをしているんだねえ、と。

ヨーロピアン、どの地域でも同じことをしてるなあ。南米のインディオや北米のインディアンが辿った運命を考えると日本人運が良かったんだなあ、と思ったりして。

まあ時期も良かったですよね。室町末期から戦国時代。全国で戦国大名が生き残りをかけて必死になっている時だもの。比較的平穏な時代だった北米&南米組とは狡猾さも人の悪さも違いますよねえ。

「時として人の善性よりも冷酷さの方が生き残りの為には必要な時もある」

 という言葉をどこかで読んだ気がするけど、北米&南米組が与えた恩を仇で返された状況を見ると真田幸隆さんみたいに生き残りの為なら平気で策を巡らす人がゴロゴロしていた時代に宣教師が渡って来たのは幸運だったのでしょうね。