火曜日の思索メモ

思ったこと、考えたことの記録です。

ケロリン桶は風呂桶です。

自然保護団体を名乗りながら動物の生態についての知識が危ぶまれる団体がいるのだから、居酒屋でありながら、食品衛生法に反している器で酒を提供しているお店があったとしても何の不思議もないのだけれど、製造元にとってはたまったものではないですねえ。

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 自社の名前の入った容器を本来の用途でない使い方をされて、それが原因で健康被害でも起こされたら自分の名前に傷がつくもの。 

そりゃ「危険だからやめて!」と慌てて注意喚起を呼びかけるわ。 

検査されてないものを食器として使ってはいけないという食品衛生法第16条に明確に反しているもの。

アルコールはプラスチックを溶かすんですよね。エタノール(アルコール)は、最も初歩的な有機溶剤なのだから。 

一般にプラスチック製品には「劣化防止」「加工性向上」「着色」など様々な目的で配合剤が添加されています。 

お酒に含まれているアルコールは、これらを溶かし込む性質を持っているのでケロリン桶やケロリンコップで提供されたお酒を飲んでいる人は、桶とコップと塗料が解けた可塑剤サワーを飲んでいることになりますね。 

 

ケロリンの桶やプラスチックコップの原料樹脂はPS(ポリスチレン)。 

プラスチック工連盟によるとPSは「アルコールに対して耐性がなく間入れておくと溶け出して内容物の味が変わる」ので、お茶やお水などノンアルコール飲料用に作られているのですね。 

 

焼酎だってアルコールだろう。あれもプラスチックに入って売られているじゃないかと思う人もいるでしょうが、あれはPSではなくPET。 

しかも焼酎が溶け出さないようアルコール耐性を強化した専用容器に入っているので、今回のケロリン桶のように、本来はその用途で作られていないものが間違って使い方をされているのとは違うのです。 

消毒用のアルコールだって、消毒用アルコール専用のPP容器ではなく、普通のプラスチック容器に詰め替えて持ち歩いていたら、アルコールが容器を溶かしてバッグの中が大惨事!なんていう話があるくらいですからね。 

本来その用途で作られていないものを用途外の使い方をすることは危険なことでもあるのです。 

 これ富山めぐみ製薬が食器や酒器として利用している店舗を探して「使うのは危険」だと呼びかけているということは製造元とのコラボでもなんでもなくて無許可のまま「昔懐かし、銭湯でよく見かけた洗面器」というレトロな雰囲気の面白さを狙ってやってしまったのでしょうね。 

 ケロリンの洗面器で酒を飲むなんて酔狂な。楽しそうだ」 

いていた人がいるくらいだしなあ。 

ケロリングッズ、東急ハンズで見かけたことがあるくらいだし、ケロリンとは富山めぐみ製薬の前身である内外製薬が大正14年に売り出した頭痛・鎮痛薬で、昔は内風呂がある家は稀でたいていの人はお風呂に入る為に銭湯に行っていたので、広告効果を狙ってケロリンの名前入りの桶が作られ、銭湯も広告分だけ桶を安く仕入れられるので、銭湯に行けばケロリンというくらい広く使われていたんですよね。 

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 大衆居酒屋と銭湯グッズの組み合わせ、いいじゃん!と深く考えずにやってしまったのでしょうけど、野毛や甲府のお店は、ともかくとして同じことを宮下パークの渋谷横丁でもやってしまっているのですよね。 

あそこに日本全国のご当地フード横丁をやっていますからね。当然、北もあるし。北富山といえばケロリンだし。か富山のご当地物産館でもケロリングッズを売っていたは筈。 

のご当地フードを提供する店が、北薬会社が 

「危険だからしないでくれ!」 

と、注意喚起を出すやり方でお酒を提供していたわけですか。三井不産やっちまいましたね。 

 以前、牛の生レバーが 

「食肉市場で生食用の処理をされていればレバ刺しとして出してOK!だけど、今現在、そのように処理されているのは皆無だから、事故が起こらないように禁止するね」 

 で禁止された時、呆れたことに 

「牛の生レバー禁止されてしまったの?だったら禁止されていない豚で!」 

 と、豚のレバ刺しを出す店が出てきてしまったのですね。豚には寄生虫がいるので生で食べてはいけないというのは常識でして。 

 イスラム教徒が豚を食べるのを禁じているのは感染除けのに禁じているのではないか?という説もあるくらいでしてね。 

「火を通さなければ食べてはいけないのが大前提だから、わざわざ禁止なんてしなくていいよね」 

 と明文化しなかったら、禁止されていないのだからやってしまおうという店が出てくるとは禁止した側も思わなかったでしょうね。 

まあ、自分達の思想の為なら事実を無視してしまえる自然保護団体もいるぐらいだから、売り上げの為に 

客に危険なものを売る飲食店があったって不思議ではないのですよね。 

自分の利益のなら、都合の悪いことはなかったことにしてしまう人は一定数いるでしょうし。 

 自然保護団体といい、人気の居酒屋といい、勉強の必要性を教えてくれる例が続きますねえ。

おかしなことをおかしいと気づくには常識だけでなく気づけるだけの知識もいりますしねえ。

そういえば、以前お魚の形の醤油入れに除菌剤を入れて誤飲の危険性を指摘された店もあったなあ。

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 「これはいいアイデア!ビジネスチャンス!」と思うと安全性をコロッと忘れる人は多いのね。