火曜日の思索メモ

思ったこと、考えたことの記録です。

コロナ再拡大

コロナ拡大以前から医療従事者の過重労働は問題になっていたから、大変なか医療従事者は頑張っているなあ、と思いながらニュースを見ている。

医療崩壊は医療従事者の騒ぎ過ぎと書いていたストラジストさんがいたけれど、以前から医療危機について関心を持っていると、このストラジストさん防疫だけでなく、医療についての知識が低いんだな。自分の持っている知識が低い分野でも堂々と情報発信できるなんて、いい商売だな、と思ってしまいますね。

まあ信頼できる情報発信者は自分の専門外のことについての発信は慎重になるから、信頼できる情報発信人を見極めやすくなっていいけどね。

危機を訴えているのが北海道、東京、大阪で。北海道と東京はともかく大阪はどうしても

「ああ、病院の統廃合で揉めていたものな。保健所も減らしていたから衛生行政職員も往時より3割減っているんだっけ。少ない職員で回していると現場の皆さんは大変だろうな。

手が足りないと休みをちゃんと取ることも難しくなるだろうし、休養をちゃんと取れないと免疫力も低下するだろうからクラスターも発生しやすくなるだろうな。現場に余裕がないと、もしもの時に対処できない場合を考えて過剰防衛になるのは無理ないよね」

と思ってしまいますね。

togetter.com

 

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それにしても各国、緊縮財政で行政のスリム化や医療行政への予算削減を図った後を狙ったようにコロナが発生してますね。欧米を見ると日本の医療行政はそれでもかなり上等な部類なんだよなあ。

もっとも日本でも財政健全化をしたい行政官と地域医療を守りたい医療者側が対立するという構図は起こってますけどね(友達がこれでキレていた)

市民病院の赤字に悩む自治体が事欠かないように医療というのは金喰い虫であるけれど、経済危機に陥った時でもIMFの言うことに逆らって緊縮政策は取らず

「医療は国が守ることを保障するから!病気や怪我になっても今まで通りちゃんと病院にかかれるから!」

 と明言して国民の不安を和らげて、その他の政策とあわせて経済危機を脱したアイスランドの例もあるからなあ。

 ブレイディみかこさんの本でイギリスのEU離脱に関して

EUを離脱すればEUへの拠出金を予算を削減され続けているNHS(国民保健サービス)にまわせる」

 というデマが流れてEUを離脱すればNHSの現状が改善されて、がん患者が治療を受けられるまで何ヶ月も待たされることが無くなると信じた人々がEU離脱に投票した、という事情が書かれていたなあ。不安はそれくらい強く人を動かす。

 

 

 今回コロナのおかげで経営危機に陥っている病院も多いそうで。行く必要のない老人が病院に行かなくなったと揶揄する人も多いけれど、実家に帰った時に地元で「ご近所のお医者さんに診てもらった後、『これは大きい病院で診てもらった方がいいですね』と紹介状を出してもらって1日がかりで行く病院」と見なされているところでクラスターが発生したそうで

「みんな怖がっちゃって行かないから、いつも混んでいるあそこが閑古鳥鳴いているらしいよ」

 という話を聞いたから、そうとばかりは言えないのじゃないかな?お年寄りだと病気や怪我は怖いけどコロナも怖いから痛いのは我慢するという人達も一定数いそうだし。(実際「定点観測しないと病状の急変に対応できなくて危険だから持病のある人は怖がらずちゃんと来てください」と言うお医者さんのツイートを見たなあ)

 ボーナスシーズンが近づいておりますが、全国の4割の病院はボーナスカットだそうで。病院の経営が厳しいからやむを得ないとはいえ、神経を使う状況で、過重労働で働き続けて、対価の面でも報われないとなれば医療従事者は腐るわなあ。

 フランスでは仕事を辞める看護師が相次いで、医療従事者の状況改善を求めるデモが起こっていましたっけ。日本でも

「地域医療の砦を守ろう!コロナ対策費や医療従事者への人件費を支援しよう!」

 と病院を支援するクラウドファンティングが起こっていましたね。イギリスでは

「国が俺達の為に何をしれくれないなら、俺達自身が俺達の地域を守るしかない」

 と貧しい地域で地域ネットワークがより強化される傾向について書かれていたけれど日本の場合はどうなるのかしらね?

地域ネットワークの強化って正の面と負の面があるんですよね。先日亡くなった矢口高雄さんが

「僕の子供の頃は冬病人が出ると村の大人達が病人を橇に乗せて、病院のある町まで数人がかりで病人の乗せた橇を引っ張っていくしか方法がなかった。だから地域ネットワークから外れるということは死活問題だった。僕のおじいちゃんは厳しい人だったが地域ネットワークから外されることの怖さを熟知していたので、世の中から外れることをことのほか怖れた」

 というようなことを書いておりまして。コロナ禍の今ではどうしてもそれを思い出してしまいますね。