火曜日の思索メモ

思ったこと、考えたことの記録です。

キッズラインの補助金返還要求と鈴木亘教授のセーフティネット論

ベーシックインカムについての記事が流れてきたのだけれと、提案者の名前を見て、

「ああ、保育園について散々『既得権益』だと攻撃した鈴木亘さんか。2000年代にこの人がどんな記事を書いたか忘れていないからな。

この人が主張を真に受けると保育園同様、ブラック化が進んで福祉は低下するだろうな」

と思ってしまいました。

 結局、あの頃鈴木さんの意見に懸念を示していた人の言葉の方が当たっていましたね。そういう人達の懸念って、まずビジネス誌に取り上げられませんでしたけどね。

前例を見ていると答え合わがしやすくなっていいですね。

 幼児に性犯罪を繰り返す保育士を生み出すような状況を作り上げておいて、なにが「規制緩和すれば保育の問題は解決する」だ。

 

試しに 「鈴木亘 保育士 ブラック」で検索してきたら、これが出てきました。この疑問、今見ると現場を知っている人は騙されないよねえ、としみじみ。

あの当時、鈴木教授の主張に疑問をあげる記事をいくつも見かけたけど、あれどこで見たのかなあ?もっと具体的な数字をあげて反論していたのもあったと思うけれど。見つけることができればもっと今の状況と答え合わせができるのにね。

 

お医者さん達がデイリー新潮の反ワクチン記事について「どうして消してしまうんだ。残しておかないと、どこが間違っていたのか検証できないだろう」と言っていたけど、ほんと検証は大事ですよね

ryuseisya.cocolog-nifty.com

 保育の質は落とすわ、保育園での事故は増やすわ、保育園ブラック化で保育士不足を招くわ、保育士不足しているから問題保育士を排除しにくくなるわで、ほんと素晴らしい主張ですこと。

救いがあるとすれば起業しやすくなったから良心的な保育士さんも保育園を開きやすくなったことかな。

せめて悪貨が良貨を駆逐する状況がこれ以上増えないことを祈りますわ。

真っ当な保育士さんと保育園は社会の為にも守らないとね。

それにしても鈴木教授のベーシックインカム論とキッズラインの補助金返還要求の記事がほぼ同時期に流れてくると天の配剤というか、声の大きなものに惑わされず、世の中をしっかり見なさいと神様に言われているような気がしますね。

キッズラインの社長、保育士が既に性犯罪を犯していた時期に、政府の規制改革推進会議で、規制緩和を主張していましたからねえ。

 

news.yahoo.co.jp

 子供の安全より会社の利益が大事とはなかなか素晴らしいビジネスマンで。これも鈴木教授に言わせると民間の有効活用なんでしょうねえ。

 

キッズラインの登録シッターが立て続けに2人、強制わいせつ容疑で逮捕された。子どもへの性犯罪は、保育所や学校等でも発生しており、毎月のように報道がされている。

とりわけ恐ろしいのは、小児性犯罪は再犯率が高く、嗜癖行動のような形で繰り返されるという議論もあり、再び子育ての領域に加害者が戻って来る可能性があるということだ(斉藤章佳『小児性愛という病』など)。

国として子どもに関わる人達をきちんと審査する体制をどのように整えていくべきか。

6月24日にキッズライン社から送信された利用者へのアンケートの一部
キッズラインの事件を機に、ツイッター上では#StandByKids、#保育教育現場の性犯罪をゼロに というハッシュタグなどが立ち上がり、キッズライン社も5月末の著者の質問への回答や6月24日に送信された利用者へのアンケートで犯罪履歴を確認できるよう提言をしていく方針を明らかにしている。

しかし、にわかに議論が沸き上がる中、実はベビーシッターを巡る規制は緩和される方向に動いている。しかも、その規制緩和は、キッズライン経沢香保子社長自身が政府の会議に出席して要望していたものだった。

 

子供の安全が確保されない状況で保育を行なって、傷つくのが犯罪被害者となった子供とその父兄ですから、保育園の規制を緩和しろと主張していた鈴木教授にも、それをもてはやしていた人達にもなんの被害もありませんものねえ。

 

そりゃあ、自分に被害が及ばないことについては好き勝手言えるし、利益の方を優先させるよね。

新自由主義者の唱えるベーシックインカム論に警戒する人が出るのは当然でしょうね。