火曜日の思索メモ

思ったこと、考えたことの記録です。

財務省とスペックを見ずに低価格PCを選ぶ高齢者は同じ。

前田利家といえば加賀百万石の祖。その妻まつ夫人といえば賢夫人で有名で、どのくらい賢夫人かというと、前田利家が末森城を攻められて苦境に陥った時にポンと袋を渡して

「この銭に槍を持たせて戦わせてはいかがです」

 との一言で、思わず刀を抜こうとするほど夫を激怒させるくらいの賢夫人だったのですね。

 これねえ、何故利家が刀を抜こうとするくらい激怒したかというと一番痛いところを突かれたからなんですね。

 前田利家は、ケチというか倹約家というか蓄財が大好きな人で、まつ夫人の

「今は金を貯めるよりも兵を養う時。戦に備えて、その金で兵を育てなさい」

 という進言を無視していたんですね。

 これから平穏な時代に向かうなら利家の方に分があったのかもしれませんが秀吉と家康が覇権争いしている「小牧長久手の合戦」が起こったばかりの頃ですからねえ。

 秀吉と敵対している佐々成政に末森城を攻められ家臣が苦境に陥っていると聞いたまつ夫人が

「だから言ったのに!」

 と思っても無理はない。

「言ったよね?私言ったよね?そのお金で兵を養いなさいって何度も言ったよね?大事なことを無視して金を惜しむから今こういうことになるのよ。兵なんて急に整えられるものじゃないから日頃の準備が大事なの。

違うというなら、あなたが私の言うことを無視して貯めてきた金に槍を持たせて兵士の代わりに戦わせないよ」

 と、痛烈な皮肉を浴びせたくなりますよね。痛いところを妻に突かれて激怒した前田利家さんは、さすがに反省して末森城で勝利をおさめた後は、まつ夫人の進言を無視することはなかったようですが、21世紀の日本でまつ夫人の皮肉が必要になるとは思わなかったな。

財務省の財政分化科が出したレポート、一般常識のある人達からツッコミ入れられまくってますね。

togetter.com

 

財務省が戦闘機の小型化が一般的とか言い出した…

 

財務省が次期戦闘機の開発計画にケチを付けるために出鱈目を主張し始めたと聞いて(実際にはステルス機は兵装と燃料を全て内装する必要から従来機よりも大型化する傾向にある) 

 

財務省、頭はいいんだろうがやってる事が「一番安いやつでいい」つってセレロンメモリ4Gのノーパソ買ってくるうちの義父と同じなのが腹立つ

 

あまりに内容が酷すぎて、ツッコミを入れられまくっている資料はこれですね。

www.mof.go.jp

これ一般人でも分かるくらい事実をあってないようなんですね。

 

戦闘機を体積で比較した資料なんて俺初めて見たよ。 戦闘機を語る上でほぼ必要のない数字だものな。

詐欺師……じゃなかった、 財務省でもないとこんな数字早々つかわんだろ。

 

しかも参考資料で空虚/最大離陸重量を一応出した上で、機体規模を箱型容積としてるのが悪質

 

この表の最大離陸重量でプロットすると、より新しくより小型なはずのF-35が、古いF-22よりも重くて「新しい機体は小型」っていう財務省の論旨と矛盾しますからな。

そういう都合の悪いとこを無視するには、体積で比較するのが一番と。

 

財務省は結論を先に据えて理屈を後から無理矢理に捻り出してるので、無茶苦茶なことを自覚した上で資料を作成してるわけで、よく分かってない議員さえ騙せればいいというアレです。

 

財務省、ほんと頭いいんだってわかるよ。 予算を減らすために大型機作って欲しくないんだろうな。 だから小型機が正しいって理屈を出すために、 体積で比較するなんて都合のいい新しい基準を作り、 重量については記載はしても華麗にスルー。 後継機とかでなく開発した順番だけで並べた。

 

財務省は馬鹿じゃないし無能でもないのはほんとよく分かったよ。

予算削減のためなら資料を曲解し、都合のいい基準をつくり、

標準的な評価を無視し、求められた理由など都合の悪い話は無視するわけだ。

ほんと頭はいいんだな財務省は。
頭はいいよほんと……
詐欺師に転職できるぜ……

それにしても財務省がスペックを見ずに価格だけでPCを購入する高齢者みたいなことをやっているということは財務省にとっての判断基準は「価値」ではなく「価格」なんですね。

そちらを選ぶと時代の潮流に合わないから、時代遅れの装備で国土防衛を行わなければいけない方へ誘導するよう資料を作成しているのだから

「この質に対して、この値段。コスパ最高!」

「予算的には厳しいけれど、これからのことを考えたら、こちらを選んだ方が生み出す価値は大きい」

 という判断が出来なくて

「こっちの方が安いから、これでいいんじゃないですか」

 という判断をする財務管理をしているだけの省に、国防や、福祉や、教育について何が大事なのか判断するだけの知識を求めるのは酷かもしれないけれど、財務省のやっていることって世間一般では「安物買いの銭失い」って言いませんか?

「失われた30年」が何故起こったのか、よく分かる姿勢ですね。

 財務省の緊縮体質について

「『未来の子ども達の為に』と言い続けたら、その『未来の子供達』がいなくなっちゃった」

 と揶揄されるけど、必要な時に必要な投資を行わなかったら、そうなりますよねえ。

教育や福祉だけでなく防衛についても「あの時、必要な投資を渋らなければ」ということになるのかしら?

 後から悔やんでも遅いから「後悔」って書くのでしょうけど、後悔するのは財務省ではなくて

「あの時、なんとしてでも財務省に抵抗すべきだった!」

 と、実際に苦労する他の省庁でしょうねえ。