火曜日の思索メモ

思ったこと、考えたことの記録です。

「子ども虐待防止策イベントin神奈川」

平塚で開催された「子ども虐待防止策イベントin神奈川」に行ってきました。

今は、為政者でなく民の方が
「これは、なんとかせなあかん」
と思う時代なんですねえ。これ企画したのは普通のお母さんですものねえ。

ライターの今一生さんが虐待について記した著書や動画で各地で実施していた「子ども虐待防止策イベント」の存在を知った人達が
「自分でも何かできないか」
 と手弁当のボランティアで開催したイベントで、とてもいいイベントだったのだけど、国の失政と有権者の怠慢の結果を、自分の身体で味わった人達に目の前で語られるというのは、結構きつい。

だって皆さん、現在の民法では虐待する親から逃げ出した子供を匿った時、匿った相手が親族でも親権者である親が
「誘拐だ!」
 と、警察に訴えてたら誘拐罪で逮捕されてしまうって知ってます?

自分を虐待、性虐待した親でも、現在の民法では親の介護、看護、扶養の義務があるって知ってます?

これを、長年放置していたのが社会や有権者の怠慢ではないと私は言えないわ。

親の虐待によって完全失明した人や、親の性虐待から逃れる為に結婚したら、妊娠後に夫がDV野郎に代わり、そのうえ自分が娘を可愛がると娘を虐待。そのうちに性虐待まで始めたことを知って逃げ出した体験を読みあげる人を前にして、何もしてこなかった私達が何を語ればいいというの。

「無知は、罪」と、いうことがよく分かるイベントでしたね。

このイベント、2018年から市民ボランティアで全国各地で開かれているそうだけど、それだけ
「なんとか、せなあかん!」 
 と、思う人が多いのでしょうね。

イベント最後に主催者の人達の挨拶があったけれど、政治思想なんてなくて、普通のお母さん達が普通に

「子どもがこんなつらい目にあっているなんてひどすぎる!どうしたら、こんな目にあっている子ども達を救うことができるんだろう」

 という考えで開いたイベントという感じでしたね。(「子どもを守りたい」が政治思想じゃないのか、といえば、まあ政治思想なんだけど。今の日本で「子どもを守りたい」の政治活動は他に邪なものが入りやすいですからね。)

「こんなこと、自分に出来るか分からないけど、でも放っておくわけにはいかないじゃない!」

 というのは普通の人にとって一番理解しやすいところからのスタートですものね。

他の地域のイベントも各主催者さんが同じような気持ちで動いているのでしょうね。

「全国のなんて大きいことは言わない。まず、うちの地域の子どもたちを守りたい。その為に何が必要なのかを知って欲しい」

 というのは素朴な活動理由となりますから。

 

 虐待問題って政治問題なんですよね。ネックとなっているのが民法という法律なので。だから何故困っているのか分かる人が多くないと「困ってる」の原因を変えることすらできないんです。

 そこをいじらないで対策をしているから費用ばかりかかって効果があげられない。今さんが、この状態について

「消防士を増やしたって火事は減らない」

 ととても上手いたとえをしていまして。今の状態って火事が起きた時の対策ばかりして、防火対策をまったくやっていない状態に等しいのですね。

 消防署が見たら呆れるようなことをしてるの。消防署は、ちゃんと防火設備点検や防火啓蒙イベントをしているし、大きな災害があった時は同じことが起きないように必要とあれば法を変えているでしょ。

 児童虐待については、それまったく出来ていないんですね。何故なら、民法を変えることに抵抗感を示す人がいるから。

 親権の乱用されないようにすることを防げていないから。

 親権というのは、子どもの健全な育成の為に親に与えられた権利なのだけど、それを子供を支配する為に利用したい人達がいるわけですよ。政治家にも国民にも。

 でも、みんなそういう人達がいることを見ないふりをしてきたの。「親は子供を必ず愛すもの」という神話にしがみついたの。(これが神話でないのなら、動物にも子殺しや育児放棄は発生しないよねえ。動物園で親に育児放棄された子供を飼育員さんが育てているというニュースは珍しくないものねえ)

 見ないふりをして、原因となっている法を変えないで、税金ばかりを浪費して、現場の職員を疲弊させ続けてきたんですね。

 そりゃ虐待サバイバーの側から情報発信するようになるし、何をすればいいのか知った市民や地方議員達が動きますよね。

 群馬県太田市では、虐待防止イベントに参加して何をすればいいのかを知った市長が、すぐさま動いて短期民間擁護者制度を作ったそうだし。

 民法を変えるには時間がかかるし(今さんが、「最低10年はかかるでしょう」と言ってましたね。無戸籍児童発生の要因となっている法を変える運動も10年以上続いてるけど、まだ変えられない状態だからその言葉は正しいでしょうね)、法が変わるのを待っていたら、子供が何人死ぬか分からないし、民法がすぐには変えられないなら条例で、と地方議員は動いてますね。

 なにせ今の日本の虐待発生数は、毎日一人の子供が親に殺される計算になりますから法が変わるのを待ってはいられないですね。

 今回の平塚も市会議員が来ていましたね。法が原因で子供が救えないのなら、それを変える為には政治家の力も必要ですからね。

 そういえば、途中からの遅れての参加だけど河野太郎さんも来られてましたね。パネリストの虐待サバイバーの方がダメもとでイベントがあることをDMしたみたいですね。

まあ、地元だし、こども庁設立の要望を出していたのは自民党の若手有志グループだし、河野さんが関心を持ってもおかしくがないかな。

自民党の若手有志グループについては今さんも

「あの人達はよく勉強しています」

 と、おっしゃってましてね。あのグループ、勉強会の時は当事者を招いて話を聞くというのをよくやるので、虐待サバイバーも何度か招いて、その時に聞いた話を政策に反映させているんですね。今さんが

「野党もどんどん当事者招いて勉強会をすればいいんですよ。僕も、虐待サバイバーも呼ばれたら行きますから。虐待サバイバー達は自分達がして欲しかった政策をしてくれるところなら支持しますよ」

 と、おっしゃってましたね。確かに立憲も公明も自民党の若手有志グループに比べたら勉強不足のような気がしますね。

 まあ、あのグループは、自分達がやりたい政策をやれる可能性が高いから所属を自民党に変えた人もいるので勉強熱心なのも当たり前かもしれませんが。

 そういう人達も取り込んでしまうのが自民の強みですよね。野党も本気で対抗したいなら与党以上に勉強熱心にならないといけないような気がするけれど、どれだけこういう当事者からの意見の吸い上げを行っているのでしょうね?

 

#防止策イベント