AV新法反対団体の主張が、ずいぶんと原理主義的で「フェミニズムの皮を被った宗教右派」との評価が出るのは不思議ではないのだけれど、なんで現実を見ないでこういう方向に流れるのだろう?と思っていたら、こういう広告が流れてきたので、そうかこういったところで偏った情報を得るからだな、と納得してしまいました。
「性教育は人権教育」ということに異論はないけれど、この名前どこから見たことがあるな、と検索してみたら事実誤認の恣意的な論文で、かつて大炎上した人じゃない。
主張に色々おかしな点があって
「警察や治安至上主義者たちに左の側からお墨付きを与える為のあれこれ担ってるんでしょ」
とまで評されていた人でしょ。今こういう方向に流れているのか。
あの広告、シェアされているところを見るとひっかる人もいるのでしょうね。
公式ブログを見てもブランディングが上手そうだし。こう不景気だと将来への不安から講師養成ビジネスに惹かれる人はいそうですものねえ。
プロフィールを見ると2019年以降大学では講義をしていないようだから、やっぱり慶応の学位取り消しって影響大きかったのですね。
少なくとも大学レベルだと、学者としての信頼をおけない人に講義を依頼するわけにはいかないということなのかな?
勁草書房のように、自分のブランドに傷がつく危険は各大学とも避けたいでしょうし。
慶応が博士学位を取り消した時は、「指導教官、何やってたんだ?査読きちんとしてるのか?」という反応が出てましたね。
論文の中に剽窃があるかないかのチェックなんて普通は当たり前のように行うことだから、論文審査担当者の一人は警察官僚の岡部正勝氏だったということもあって
「指導教官側も『イデオロギーが合致しているなら剽窃だろうが捏造だろうが構わない』って言う風土のところなんだろうなあ」
という反応が出ていましたっけ。
慶応が、どういう査読をしていたのかは横に置いておいて、この論文の内容自体にも
読んでいてどうも「子どもの人権」や「表現の自由」への理解が独特だと思ったら、博士論文の主査は保守系の「憲法学会」に属する教授とのこと。
警察キャリア官僚から出向中の教授も指導に関わっており、取り締まり的発想が強いのもそのため?
「合理性の基準」という緩やかな違憲審査基準で「表現の自由」を制限できるとも受け取れる記述は、憲法学のオーソドックスとは言い難いし、「子どもの人権」という「公共の福祉」の実現のためには「表現の自由」も容易に制限されるとも読める箇所もある。
全体的に違和感を覚える主張が多い。
と、著者のバイアスがかかっている内容でないか?という指摘があったのですよねえ。
まあ受講生達がそれで満足しているのなら、それでいいのだけれど偏った内容を自覚ないまま再生産して広めるのなら問題よね。