年齢を考えると不思議ではないし、お体を悪くして漫画家は引退すると表明されていたから覚悟していた人はいたかもしれないけれど、今年になっても漫画家協会の理事会に
参加されていたのだから、公式Twitterのお嬢さんの発表を信じたくなかった人は多いでしょうね。
こないだ漫画家協会の理事会で、熱心に聞いていると思われた矢口高雄先生が実は落書きをしていた。
見ると精悍な野生動物の絵で、あまりに上手すぎるので誰も注意せず、むしろみんなでそれを鑑賞していた。
森川ジョージさんの語っているエピソードは溜息つくほどカッコいいですしね。この言葉を納得できるぐらいの技量がないと語れない言葉ですよね、これは。
釣りキチ三平の映画化記念の対談後のことです。
映画のデジタル技術での自然美、魚の躍動感の再現に矢口さんはとても感心されていて、その時聞いてみました
「漫画の原稿もデジタル技術は素晴らしいです、アナログでは太刀打ちできなくなる日が来るかもしれません」
という僕の問いに、 「いいかい森川君」と前置きを入れ自分の右手の手首から肘の間をポンポンと軽く叩き、ニコニコしながらこう答えてくれました。
「日本の四季は日本の絵の具でしか表現できないよ」
なんてカッコいい先輩なんだと震えました。
もう会えないのが残念です。 お疲れ様でした。 ありがとうございました。
ちょうど50周年記念展をやっているけど横手は遠いし、こういう時だからな。(>人<;)
じつは私「釣りキチ三平」以外の本を読んでいたので一番有名な作品を読んでいないのですよね。
他のも面白いのでついそちらを先にしてしまって。(だって三平、巻数多いし)
三平以外でも
「矢口高雄先生の最高傑作を紹介させてくれ!」
と自分にとっても最高傑作をあげる人に事欠かない名作の多い方でしたね。
動植物の上手さでは他の追随を許さない、間違いなく超一流の漫画家の一人。ご冥福をお祈りします
矢口高雄先生の漫画はね 何というか、漫画で 【背景に憧れる】を強烈に体感させてくれた。
モノクロの漫画で 水、風、空気の匂いまで感じさせてくれる。
そして雪 何よりも雪。 雪が美しい。 すみません まだ頭がグチャグチャです。 まだお別れの言葉が言えない。
リアルで迫力あるのに、漫画の中に溶け込んで違和感なく読める背景の書き込みは何度見ても本当素晴らしいな…
矢口先生の水の描写の巧さは唯一無二のものがあったし、ただ水や動物を描くのだけが巧いんじゃなくて俯瞰やアオリ、魚の目線から水面の向こうの人を描いたりといったカメラワークもめちゃくちゃにすごい人だったよね
荒川博さんといい、矢口高雄さんといい、自然が身近な環境で育った人は綺麗事ではない自然の怖さや美しさを描いているから面白いのですよね。
観念ではなく、実体験で描いているから、遠くから見て賛美している人とは違って、自然を相手にすることの厳しさや大変さを余すことなく描くから説得力が違うのですよね。(´-ω-`)
小学生の頃、近所の図書館で「螢雪時代」に出会い貪るように読んだ。それからも書棚で見かけるたび手に取らずにはいられなかった。
日本の自然と野生を町の片隅にまで伝えてくれる友人のような本だった。
矢口高雄先生は初めて「絵がうまい」という意識を教えてくれた人だったかもしれない。
今頃は天国で待っているお嬢さんと一緒に釣りを楽しんでいるのかしら?
ご冥福をお祈りいたします。