火曜日の思索メモ

思ったこと、考えたことの記録です。

即位礼正殿の儀

今日は即位礼正殿の儀の日ですね。先日古事記講座を受けたのですが

「10月だったら、やっぱり即位礼の話を聞きたいでしょ」

 と即位礼の見どころをレクチャーしてくれたので、今日の報道を「おお、これがこの間聞いた」とワクワクしながら見ています。

 

江戸時代に御帳台がなかったという話がやっぱり出てきましたね。

あれ明治になって欧州の王室が即位の時は王と王妃が揃って儀式にのぞむので、なら日本も欧州にならってそうした方がいいだろう、と御帳台ができたそうですね。

 

即位式時代も奈良時代にはなかったそうで。唐好みの桓武天皇

「中国の皇帝は帝位についたら皇帝になったと宣言する?よし、なら日本もやろう!」

 と始めたのがはじまりだそうで。

 

即位礼時代も時代に合わせて変わっていっているのですよね。

昭和天皇の時は、女性皇族はあらかじめ先に入って御簾の中で待機されていた。

平成天皇の時から、女性皇族も歩いて入場するようになった、と聞いてほほうと思いました。

御簾の中で待つというのが平安時代のようですね。上皇夫妻は皇室に新しい風を持ち込んだと言われているけれど、即位の時もそうなのね。

 

過去の即位の儀式を記した絵巻も紹介されていたけれど、のぼり旗に動物の絵がある!

今回ののぼり旗、様々な色の旗が挙げられているだけで旗の中には動物の姿はないそうですね。

 

本来なら八咫烏とか八瀬の鮎とか神獣である動物達が刺繍されている筈なのですが「宗教色が強くなる」という理由で今回は刺繍なしとなったそうで。

 

「『宗教色が強くなる』と言ったって、八咫烏なんて日本サッカーのエンブレムにもなっているのだから、それぐらいいいじゃないねえ。」

 

「あの刺繍は即位の時しかしないんですよ。僕が職人の立場だったら、刺繍を依頼されたら一生一代の仕事として腕をふるいますよ」

 

 今回のぼり旗に刺繍があったら、前回の即位を体験していないものもその仕事を経験することができた。

 

「費用がかかるからと言ったって日本刺繍の技術を絶やさない為なら、それぐらいの費用を払ってもいいと思うけどなあ。その為に税金を使われるなら僕文句は言いませんよ」

 

 技術ってわりと簡単に失われるのですよね。建築でも染色でも栽培技術でも今どうやってそれを造ったのか分からない、という技術は山のようにあるし。

 

伊勢神宮が賞賛されるのは式年遷宮は技術継承と技術者確保という点でも、とても優れたシステムで運営されているからなんですよね。

 

技術継承と技術者確保を怠るとどうなるのかは、今各地で

「建築技術者がいない!技術者が足りなくて災害復興が進まない!」

 と悲鳴があがっているのを見れば分かるし。(建築関係はバブル崩壊以降の不況と公共事業悪玉論で地場の建設会社がポシャって技術者が他の職種に転職してしまったし、就職氷河期時代に後進の育成を怠ったツケがきているし、と聞くと怖い話がゴロゴロしてますね。(;_;))

 

本来、のぼり旗に刺繍される筈だった動物達は天照大御神が天の岩戸に隠れた時に岩戸の前で嘆き悲しんだ動物達だそうで。

 

アマテラスが天の岩戸から出てきたことを喜んだ=光が戻ってきたことを喜んだ=不安と暗闇が消え、光と安心が戻ってきたことを寿いだ動物達なんですよね。

 

それを考えるとやっぱり今回ものぼり旗の中で動物達に喜んでもらいたかった気がしますね。