治安の悪化で外国人には基本出さない就労ビザを特別に発行されていたので、中村先生が、アフガニスタン政府からの
「ガードをつけないと現場には出さない」
という言葉を無下にすることができず、本来一番安全だった丸腰のボランティアスタイルを貫くことが出来なかった件で写真家の星野道夫さんが亡くなった時
「星野さんほど自然に対しても、熊に対しても造詣が深かった方が何故あんな亡くなり方を」
と衝撃をもって受けとめられたことを思い出したりして。危険もそれに対するリスク回避の方法も熟知していた筈の人がその危険に捕まって亡くなるとやっぱり衝撃が走りますよね。
星野さんが亡くなった時も撮影隊のクルーが一緒だったので、本来の星野さんだったらやっていなかったことをしていたのでしたっけ。
なにか民話のなら梨取りみたい。危険は「してはいけない」ことをほんの少しでも犯すとあっという間に牙を剥く。
星野さんも中村先生も牙を剥かれた本人は、おそらくそれが「してはいけない」ことであることを理解していた点が痛いなあ。
中村先生の場合、アフガニスタン政府で「ガードをつけないと現場に出さない」と指示を出していた人間は都市部のエリートだろうから、現場の肌感覚で「こっちの方が安全」と知っていた中村先生の言葉を理解できなかっただろうしなあ。
色々なところでこういうギャップがあって「ああ、そっちじゃなくてこっちをできた方がいいんだけどな」と思っている人はいるのかしら?
アフガニスタン政府だって政府の威信とプライドにかけて中村先生を守ろうとしたわけだしなあ。こういう浮世の義理は難しいですね。