火曜日の思索メモ

思ったこと、考えたことの記録です。

国防と課税強化

国を侵略されたウクライナ人からの警告という記事が流れてきたけれど、日本人てチベットといいウクライナといい、他の国の人の言葉を使って自分の主張したいことの正しさを証明したがる人が多いなあ、と思いました。

ameblo.jp

以前「パンと牢獄」というチベット政治犯の妻の亡命生活を、妻の友人としての立場から綴った本を読んだことがあるのだけれど、その本の中で「一時的にチベットに関わることに消極的になった」という文章があって。

理由として書かれていたのが、「チベット人が嫌になったのではなく、チベットを反中国と結びつけて語りたがる人々に違和感があったからだ」的なことが書かれていて。分かるなあと思いました。

チベット文化が好きだったり、チベット人に友人がいるから、チベットの為に何かしたいと思っている人は、反中国の旗印にチベットを出されると違和感があるでしょうね。

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ウクライナ核兵器を放棄し、100万人の軍隊を5分の1の20万人に縮小し、大国の対立に巻き込まれないよう軍事同盟にも一切加盟しませんでした。」

 2013年当時18歳で、現在日本在住のウクライナ人が取材記事で語る言葉としては、ごく当たり前の言葉ですよね。

 だけど、これをもろ手を挙げて歓迎する日本人が多いということは、それだけソ連崩壊後の東欧の状況に無関心だった人が多いということでしょうね。

 ソ連崩壊から30年ですものね。ソ連崩壊後の東欧の大混乱とか、経済状態を含めた各国の状況なんて、知ったって何のメリットもない、と思う人も多いでしょうし。

 核兵器の放棄も、大幅な軍縮もあの当時の状況を思うと、ウクライナの選択が間違っていたというのは後出し孔明ですよねえ。

 限られた予算内で何を取捨選択するかという話だし、欧州最貧国と呼ばれた国が国防費を削減して、その分を他の予算に回したいと思っても無理はないし。

 北朝鮮みたいに最優先は国防予算、国民の窮状は二の次という政策を民主主義国家が取るわけにはいかないでしょうし。

日本だって自衛官の給与引き上げ改正案に維新が反対したことがあったし。(あの件、共産党でさえ給与引き上げに賛成したのに、維新が反対したということは、維新はやっぱり都市部の有権者をターゲットとした政党なんでしょうね)

 

自衛隊も予算の優先順位があるから、戦闘用装備はまだしも戦場用装備については、装備不足が国会で指摘されていましたよね。

個人携行救急品の不足だから、さすがにすぐ改善されたけれど、他にも色々苦労している面はあるのでしょうね。

japan-indepth.jp

現場がそういう苦労をしないよう予算を増やせというのは簡単だけど、国防費を増やせとなると、増税か、他の予算を削るしかないでしょうね。

「子供の貧困」が、さんざん言われているから、予算削減のターゲットになりそうなのは、教育費か社会保障費あたりのイメージがあるけど、どちらも予算を回さなかったツケが出てきてますものねえ。

教育費は、ブラックと言われて久しい教員の労務環境を改善したい文科省と費用を増やしたくない財務省がずっとやりあっているし。

(これで文科省の要求が通っても、ブラックな労務環境がこれだけ知れ渡ってしまうと、就職時の教職忌避の傾向は当面続きそう。教員不足の傾向は当面続くのでしょうねえ)

news.yahoo.co.jp

www.kk-bestsellers.com

imidas.jp

コロナで困窮者が増えているから、社会保障費を削ったら、将来の納税者がいなくなるし、今でも悲鳴をあげている介護職員が死ぬ。

民主党政権時代に、公共工事の予算を削った件については、地方のインフラのメンテが割を食って、相当恨まれていますものねえ。

koumu.in

日本みたいに自然が激しい国では、きちんとメンテナンスをしないとすぐ劣化するから安全に暮らす為には、インフラの維持にはメンテナンスが欠かせないし。

ウクライナの政府も、若い世代や実情知らない他国の人間にあれこれ言われても、「そんなこと分かっているよ!」と言いたくなることはあったのでしょうね。

 

それを考えると、岸田首相が「金融所得課税の強化」を検討するの分かる気がしますわ。

news.mynavi.jp

ぼろくそに言われてけれど、「国防費を増やせ!」という声に応える為の原資と考えたら、妥当な案ですよねえ。

他の予算を削らないで、国民の望むまま国防費を増やすなら大幅な増税しかないし、そうすると何に税金をかけるか?という話で。

コロナ禍で減収の人が増えている状態で所得税は増やせないでしょうし、消費税が「社会保障費の為」というのは増税の為のお題目であることは、かなり知られてきたし。

そうすると課税しても負担が少ないと判断されそうなのは金融所得課税ですよねえ。

投資って、基本生活資金では行わない筈だし「なけなしの金を投資しているのに課税するのか!」と怒っても、「投資するだけの剰余金があるってことですよね?」と返されそう。

「国の将来と国民の生活を考えてないのか!」と怒っても「将来よりも今の危機です」と反論されたら議論が続くかなあ。賢い人教えてください。

 

コロナ禍で夫婦ともに失職。社宅住まいだったから、失職と同時にホームレスになって。若年層だったので生活保護を受給できるハードルが高く、困窮している時に運良く支援団体につなげてくれる人と出会えて、支援が受けられるようになって、という話がゴロゴロしている状態では、そういう人達に税負担の増を求められるか?といったら厳しいでしょう。

(どうてもいいことなのだけど、生活保護を受けている人や税金免除になっている人達って投資ってできるんでしたっけ?今は100円から積立投資が出来るけど、それって認められるのかな?)

www.nishinippon.co.jp

www.jprime.jp

そうなるとやっぱり「アメリカに頼るな!国防予算を増やせ!」という声が大きくなったら、その声に応える為の原資を早急に確保しないと、ということになるから、金融所得課税への増税圧力は高まるでしょうね。