火曜日の思索メモ

思ったこと、考えたことの記録です。

子供家庭庁のフォトコンはデメリットだらけ

  こども家庭庁が募集しているフォトコンが「ネットリテラシーの欠片もない」「応募者にとってデメリットしかない」と、話題になってますね。

 私もこのツイート見た時に目を疑ったのですが、貼られたリンクを辿って、こども家庭庁のサイトを開いたら、本当に応募要項に「賞金なし」「こども家庭庁ホームページに、住所、実名を記載。匿名、アカウント名不可」「こども家庭庁は肖像権侵害、プライバシー侵害、著作権侵害等の責任を負わない」と書いてあるのですもの。

www.cfa.go.jp

 誰が応募するんだ、これ?この条件で参加者にとってのメリットって何?

■ 応募者は、応募に当たり、こども家庭庁が管理するウェブサイトやその他広報物において、応募作品が使用されることについて承諾したものとします。

■ 被写体等に対する肖像権等については、応募者の責任において承諾を得るものとし、こども家庭庁は応募作品に係る肖像権侵害、プライバシー侵害、著作権侵害等の責任を負いません。

■ 入賞作品の発表では、こども家庭庁ホームページに、作品のタイトル、お住まいの都道府県、実名を掲載します。匿名、アカウント名等による発表はいたしません。

 


3つの募集テーマ毎に、最優秀賞1点、優秀賞4点以内、計最大15点を決定

作品集
入賞作品は作品集にまとめ、入賞者及び関係者に配布します。
また、こども家庭庁ホームページ「家族の日・家族の週間」に掲載します。

 たとえ、都道府県レベルでも住所と子供や親の実名を顔写真付きでネットにあげれば簡単に住所を特定できますよね?

 仮名やアカウント名を不可にする理由って何?そんなに犯罪者にターゲット情報を与えたいの?

「応募作品に係る肖像権侵害、プライバシー侵害、著作権侵害等の責任を負いません」

 で、こども家庭庁は何があっても責任を取りませんよ。子供を守る気はありませんよ、と明記してしまっているし。

 そのくせ「こども家庭庁が管理するウェブサイトやその他広報物において、応募作品が使用されることについて承諾したものとします」で、応募作品は、こども家庭庁の広報に利用します、と明言してしまっている。

 

 これ「ただで官庁の広報の為の素材が欲しいから子供や親子の写真を募集します」

「顔写真と一緒に住所と実名を、こども家庭庁のサイトに載せることで犯罪ターゲットになりやすいようにしてあげます」

「なお、もしも犯罪被害者となっても、こども家庭庁は責任を取りません」

 と、言っているということですよね。

 これを「こどもにとっていちばんの利益を考えます」と謳っている官庁がサイトに載せてしまっているところが凄いなあ。

 載せてしまったのも凄いけど、ヤバイと思って、この応募要項にSTOPをかけようとした人がいなかったということはもっと凄い。

 こういう人達が、こどもに関する官庁の人間なのだから、そりゃこの国は少子化になりますよね。

 活動開始以来、「こども家庭庁解体論」が途切れないわけだわ。海外では、子供の写真をネットにあげることについての啓蒙動画が流れている時代なのに、日本は官庁がこれ。

 こども家庭庁のフォトコン、応募要項を見た人達から「これ、契約書は隅から隅まで、きちんと目を通しましょう」案件だと言われてましたが、あまりにその通りですよね。

togetter.com

 技術の進歩でネットにあげられた写真からAIに、その子の成長した姿を作らせて児童ポルノや犯罪に利用するものがいるから気をつけて!と注意喚起が出回っているのに、日本では官庁が

「子供の写真を住所、実名付でネットに公表します」

 と応募要項に載せてフォトコンを開催する。しかも「既に日本でもAIに作成させた合成ポルノはある」「ネットに流れているのを見た」という人達がいる時代に。

 

 官僚と政治家が一番ネットリテラシーが無い国って救いがないですね。